戦争は人間性否定の最たるものだ。
兵士は相手を殺すために国から様々な思想（大義名分）を吹き込まれて、戦場に赴かされる。
そこに個人の感情は無視され、殺人ロボットとしての働きだけを要求される。
なんの憎悪や利害が直接あるわけでもない敵を、好んで殺そうとは兵士は思つてはいない。
兵士個々人は国やそこで生活するおのれの家族を守ろう、と死地に向うのだ。

鬼身と化した兵士でも現実の悲惨な戦場に遭遇して、昨日迄苦楽を共にした仲間が隣で死体となつたのを見て、戦争の残酷さを悟り誰もが一瞬は人間性を取り戻したかのように後悔するという。

そのような過酷な体験をした、100歳を超える元日本兵士に対して、日本TVの番組で「あなたはアメリカ兵を殺したという感覚はありましたか？」と質問した。
どのような意図で質問したのか。

戦争は個人の感情は押し殺されねば遂行できないもので、兵士は上官の命令で行動するように訓練されている。どの国の軍隊も同様だ。
櫻井翔が日本を守るために戦った元兵士に投げた質問は、同じ日本人として許せない。

こんなふざけた番組を作る日本TVも同罪だ。
櫻井翔をはじめ台本作者、番組プロデューサーはおのれの浅識を恥てもらいたい。